Vol.3 セラピストのチカラ

~五感をフルに働かせて相手を察知する~

教えてくれた人

狩野 香織(かのう かおり) セラピスト(フリーランス)

大学卒業後、新卒で人材派遣会社に入社。法人営業、コーディネイターとして13年間勤務。仕事やプライベートでストレスいっぱい、行き詰っていた時に導かれるようにオーラソーマに出会う。会社退職、独立後はオーラソーマセラピストをしながら、大学生の就職支援にも従事。現在は、自宅サロンを中心にオーラソーマだけでなく、数秘術、チャクラ、西洋占星術など、セラピーの領域を広げ、それらの知識を活かした複合的なオリジナルセラピーも行いながら、オーラソーマセラピストを目指す人のためのコースも開催している。2017年1月からはサロンを千葉県から神奈川県鎌倉市に移転して活動を行うことに。神奈川でもオーラソーマに関心を持ち、基本的なことから学びたい人に応えるために、2月には英国オーラソーマ社認定の資格が取得できる講座(コース)を開催予定。 artier OLIVEホームページ:http://aurasoma-olive.com/

<セラピストとして大切な能力は何ですか?>

1. 相手と自分を信頼できる力・愛  多様性理解 受容力 自己受容・自己信頼

足りないところや課題に目を向けるのではなく、「今のままのあなたでALL OK」とクライアントさんに愛を持って接することが出来る力、それがとても大切だなと思っています。「あなたのあるがまま、そのままでいい」、それが大前提で、そうすることで私もクライアントさんを100%信頼できるし、私も信頼してもらえているのだと思います。「問題を解決する力はクライアントさんが持っている」というのは、私自身が確信していることであり、オーラソーマのベースの考えでもあります。

また、「自分も含めてALL OK」と思えることが大事だなとも実感しています。自分へのOKであふれることができて初めて、周りの人、どんな人にもOKは出せるものです。もちろん人間ですから、反省することやもっとうまくできたと落ち込むようなこともあります。それでも結果だけでなく、どのような想いを持ってそれをしたのかという事を認めたり、ダメな私も含めて「ALL OK」を出せるように、たくさんのセッションを通してようやくなれたなと思います。前は自分にダメ出しをたくさんしていましたが、クライアントさんに対して気を抜かず、真摯にできることをやりつくすことを繰り返し、自分に「ALL OK」を出せるようになりました。あきらめずに学び続けてきたことも、時間と経験を積み重ねたことも今の私の自己信頼へとつながっています。

2. 五感をフルに働かせて察知する力(見る、聞く、感じる)観察力 傾聴力 感情コントロール力

人が発しているものに、鈍感であってはいけないなと思っています。敏感にクライアントさんに集中する―視覚、聴覚、第六感… すべてのセンサーを動かして、その人を感じることが大事ですね。クライアントさんが選んだボトルだけでなく、選び方、ちょっとした視線の動き、声のトーン、話のペース、オーラ、様々なものを感じ、クライアントさんと対話していきます。セッションの時間、全神経でクライアントさんに集中し、自分のエゴからクライエントさんをコントロールしないように、エッセンスを使って、場と自分自身を整え、浄化もしています。

3. 学び続けていく力  学習意欲 振り返る力

これは1つ1つのセッションから、自分も学んでいるのだ、と考えるということです。あくまでセッションを受けに来ているクライアントさんと自分は対等で、自分は「何かをしてあげている」のではないと思っています。クライアントさんとともに学んでいるというスタンスがあるからこそ、その方の存在や選択全てを尊重することができます

知識を学び続けることももちろん大事です。オーラソーマには非常に体系だった奥深い知識が絡んでいます。私の場合、色についてだけでなく、チャクラや数秘術、西洋占星術等と学びを深めることによって、よりクライアントさんの役に立てることも増えてきているとは思います。でも、いくら知識を学んだとしても、知識を披露するのが私たちセラピストの役目ではありません。クライアントさんとのセッションから毎回学ばせてもらう、その姿勢がさらなるセッションの質の向上にもつながっていくと思っています。

このボトル1本1本に生まれた背景や哲学があるため、学ぶことは尽きない

<なぜセラピストになろうと思ったのですか?>

新卒で就いた人材派遣会社の仕事は本当にハードで、私も我ながらタフに本当に頑張っていました。でも、30代前半、仕事の大きなトラブルで、すごく落ち込んだことがあり、そんな時に、目にしたのが、オーラソーマのボトルたちでした。最初はただそのボトルの美しさに心を奪われただけだったのですが、しばらくしてまた別件で仕事のトラブルに見舞われ、再びオーラソーマを目にする機会があったのです。なぜか「これを習いに行きたい!」と強く思い、オーラソーマがなんたるかもわからずに、ただ好奇心からきれいなボトルといい香りに惹かれて習いに行くことを決めました。ある意味偶然のようでいて必然の出会いだったのだな、と今振り返ると思います。

習い始めて、正直最初は出てくる言葉のスピリチュアル感に戸惑いました。みんなワンワン泣きだすし…。ところが、3日も経つと私の表情は全く変化し、5日目には私も泣いていました(笑)。自分の中で大きな解放が起きたのです。もともと私は直感の人で、入社当時はよく「お前の言っていることはよくわからない」と言われたぐらいでした。ところがその会社で論理的に話すこと、思考でとらえること、効率的であることを徹底的に叩き込まれて、十数年やってきていました。それがオーラソーマを習う中で、自分がもともと直感で生きていたことや、本当の自分、忘れていた自分を一個一個思い出していったのです。この十数年の仕事生活は、どこか無理があったんだな、本当の私は今の私ではないということを知るために、このコースを受けにきたんだな、そんな感覚であり、気付きがありました。そういう自分自身の解放体験が、自分がオーラソーマを信じる根拠になっています。

オーラソーマは、ヴェーダや西洋占星術等いろいろな要素があり、それぞれのボトルに生まれた背景や哲学もあるので、勉強するのがただただ知的好奇心として楽しかった時期もありました。もともとは単に習いたいと思って勉強し始めただけで、最初はこれを仕事にとは思ってもみませんでした。ところが選んだボトルを通して本来の自分の姿を確認し、「光」にも「困難さ」にも向き合い、改めて自分にとっての真実を選びなおしていく中で、気づきや開放が起こりました。そうやって自分に「ALL OK」が出せた時を経て、これを今度は伝えていくことで誰かの役にたちたいと強く思ったのです

習い始めて1年半ほどして、「オーラソーマの道に進んでいこう! 本来の自分でないのにこのまま会社に残ってはダメだ! 自分のハートが喜ぶことをこれからはしよう! 」と会社をやめました。楽観的で、後先考えていなかったものの、自分本来の生き方を選択できたことは褒めてあげたいですね。

ところが、意気揚々と会社は辞めたものの現実は甘くなかった。無職ではサロン用の部屋が借りられないこと、クレジットカードも作れない、つまり社会的信用性が0だということに気づきました。退職金はあっても収入がなく、ただ通帳残高が減っていく事も恐かったです。どうにかマンションを借り、自宅サロンを始めたのですが、その頃は勢いはあっても、自分の中の覚悟や明確な方向性もありませんでした。仲間もいない中で、一人悶々と悩み、私は急に心細さに襲われていったのです。

そんな時に、学生の就職支援の仕事に巡りあいました。就職支援の仕事は責任感と愛情を持って真剣に取り組んだ分だけ、悩みもいろいろありましたが、再び、仲間や自分の「居場所」を取り戻し、私はぐっとエネルギーをそこに注ぎ込んでいきました。

自宅サロンはこの間は開店休業の状態でしたね。でも仕事をする中で私は就職支援の仕事はやりがいのある仕事だけれど、何か自分が活かしきれていないような気持に次第になっていきました。オーラソーマの仕事では「自分がやるべき仕事」という使命感と自信を持って仕事ができるのです。進路決定に向けての問題解決していくことより、「よりその人の感情に寄り添いたい」、「この人の傷をどうしたら癒せるだろう」、と自然に考えてしまうそういう自分の資質は、セラピストでより活かされていると思います。

自分の「質」とつながった仕事ができている今は自分の持っているものをちゃんと出せて、クライアントさんの役に立てているという実感を持てています。就職支援の仕事はそういう意味では、「私はやっぱり迷わずセラピストの道を歩んでいくんだ」という『覚悟』に導いてくれたのかもしれませんね。

覚悟をもってこの道を選び、クライアントさんに真摯に向き合う中で自己信頼の気持ちも強くなった

<セラピストの仕事はどんな仕事でしょうか?>

今は自宅サロンでのオーラソーマや数秘のセッションだけでなく、セラピスト志望の人に向けてオーラソーマを学ぶコースも開講したりしています。そのために指導者としての学びもイギリスにいってしてきました。また、自宅外のイベントスペース等でセミナーやワークショップも開催しています。

実際にクライアントさんとお会いする時間以外も、セミナー、ワークショップ、コースをするための企画を考えたり、情報を発信するためのブログやホームページを更新するなど、いわゆる準備や仕込みの時間も必要になってきます。

セッション自体は、私がオーラソーマの哲学やボトルについての知識を一方的に伝えるのではなく、クライアントさんが選んだ4本のボトルを尊重して、何かそのボトルからメッセージになりそうなものを投げかけ、あとはクライアントさんから出てくるものを引き出し、ボトルが語っていることとその方から出てくる言葉が何か共鳴する物が直感的にあると感じた場合は、それを伝えることをしています。クライアントさんとボトルがつながることのお手伝いをしている、そんな感じです

また、並んだボトルそのものだけでなくその方のボトルの選び方なども見ながら、この人はフィーリング重視の人なのか、思考重視なのか、そういったものも見定め、それによって、私が伝える「伝え方」もその方が最大限メッセージを受け取れる「伝え方」を選んでいます。オーラソーマの考え方を自分が信頼しているし、自分がオーラソーマで自分を取り戻したという経験があるから、ボトルと私の感じたことを照らし合わせて出た答えなら、何がこのコンサルテーションで起きても、ヒーリングしか起きないと思えます。

ワークショップやコースも開催。生徒さんと一緒にともに学ぶ。

<一日の仕事スケジュールは?>

10:00 お客様を受け入れる準備 11:00 午前中のセッション  14:00 ブログ・HP更新、お客様とのメールのやりとり。次のワークショップや講習のための資料作り等 18:30 お仕事帰りのお客様のセッション 20:30 1日のセッション資料まとめ、後片付け等 21:00 終了

*現在、予約は「1日3枠まで」と決めています。予約の入っていない日は勉強や自分の休息の為に使っています

<仕事のやりがいや面白みはどんなことですか?>

誰かの役に立てたと思える瞬間ですね。セッションを通して、クライアントさんに気づきがあり、自分の力で何かを選択したり行動している姿を見ると、やりがいを感じます。「癒された」というお言葉ももちろん嬉しいですが、その人らしい生き方をしている現実を見た時の方がはるかに感動します。私自身がそうであったように、人が変化していくプロセスはとても興味深いのです。このセッションが、その人やその人のその先にいる家族や友人やパートナーに対しても役に立ちますように、といつも思っています。

<最も大変だった経験やつらかったことはどんなことですか?>

時にセッションを通して、その人の感情が動き、怒りという感情が出てきた時に、私にその怒りが投影されることがあります。セッションは無理強いせず、その人がしたいということをしているし、細心の注意を払って、できることを誠心誠意しているという自負もあるのですが、感情を扱う分、大きな怒りをぶつけられたりもします。それがその人にとって必要なプロセスだと思っているから、辛くはないし、怒りという感情が解放されてよかったねとは思っていますが、例えばそういった怒りが言葉や文章となって言われたり目に入ってくると、それはやはりへこみます。

<逆に今までの経験の中で最も嬉しかったことや印象深かった経験はありますか?>

何度かのセッションを通して、変化していった女性と関わっていた時のことが強く印象に残っています。DV、離婚、本当にボロボロになりながら、メンタル的にもダメージを受けて来た方がいて。最初はチャクラのセッションを受けにいらしたのですが、医療行為ではないので、医療的な意味での効果は期待できないことを了承してもらった上で、チャクラのバランストリートメントをしました。最初その方泣けなかったんです。体はがちがちで、オーラ全体で泣いているのに、泣けないんです。

定期的にいらっしゃるようになって、少しずつ自分のことを話せるようになって。そのころから、仕事が決まったり、彼氏が出来たり、顔もきれいになったし、得意の手芸の作品をバイト先においてもらえるようになったり。すごくまいっていた方だったので、私も私でいいのか不安だったのですが、ともかく自分のできる事をしていきました。キャリアカウンセリングをしていたわけではなく、オーラソーマとチャクラバランスをしていたわけですが、結果彼女の人生もキャリアも大きく展開していきました。継続的な彼女の支援を通して、彼女の変化を目の当たりにして、それは本当に嬉しかった経験ですね

クライアントさんとボトルをつなぐ仕事。そのボトルを愛しむように触る姿が印象的だ。

<セラピストの仕事の未来はどうなっていくと思いますか?>

今もすごく増えているし、これからも増えていくと思います。実際、世に出ているセラピーの種類も増えているし、セラピストを名乗る人も増えています。「主婦が仕事をする」場合にも、自分自身がそのセラピーにヒットさえすれば、セラピーというものは入りやすいものです。まずは家族を癒すとこともできますからね。

費用が高くても学生さんが講座を受けにきたり、裾野は確実に広がっているとは思います。また、いろいろなセラピーを渡り歩いて、比較して、情報発信している人も増えてきていて、それだけセラピーに関心がある人も増えてきているということなので、業界全体としてもまだ伸びるかなと。男性のクライアントさんが増えてきてはいるものの、もう少し増えないかなと個人的には思っています。

セラピーだけで生計を立てているか否かは人それぞれですね。例えば女性は家族がいるか否かによって仕事のボリュームも異なるし、会社員をやりながら週末だけやっている人もいます。本気で生計を立てようと思うのであれば、セッションだけでは難しいと思います。超売れっ子になれば別ですが。ワンデイのイベントを定期的に開催したり、学ぶ人のためのコースを開催する等と並行すれば生計を立てていくことは可能です。またサロンを借りるとなると余計に難易度があがります。なので、自宅をサロンにするなど、固定のコストをコントロールしている人が多いです。

<今の仕事と同じように向いていそうな仕事はありますか?>

個人の価値観や人生観含め、その人の存在や人生を尊重し、その人が生きやすいよう支援していくカウンセラー的な仕事は向いているのではと思います。カウンセラーの仕事も所属する組織やその仕事の目的にもよって、カウンセラーに求められるそのあり方や、たどりつかなくてはいけない結果も異なると思います。だからこそ、自分のやりがいと繋がるものであれば、尚良いかと思います。

キャリアカウンセラー舛廣純子の シゴトのチカラ考察考察

元同僚の狩野さんと3年ぶりぐらいに再会しましたが、3年前よりも何か凛としていて、自分を強く持てている、彼女にそんな印象を持ちました。多分、それは彼女が、セラピストにとって大切な力の一番目にあげた「相手と自分を信頼できる力」を本当の意味で手に入れたからではないかなと感じました。自分の「質」を活かして、クライアントさんの心に寄り添い、傷を癒すセッションを何度も何度も繰り返し、振返り、クライアントさんから「学び続ける」ことで狩野さん自身が「自分自身を信頼できる力」を手に入れることができた、だからこそ「クライアントさんを心から信じること」ができ、結果、今素晴らしいセッションができているように思いました。

もちろん彼女にはもともと「相手を信頼する力」はあったと思いますが、「自分を心から信頼できる」ようになった今は、彼女の中に何かぶれない強さ、クライアントさんへの揺るぎない信頼のようなものを感じました。それはきっと、クライアントさんからの信頼にもつながっているはずです。自分自身を受け入れられないセラピストやカウンセラーのセッションはどこか厳しく不安定なもの。人を支援する人間が自己受容すること、自己信頼することの大切さを改めて感じました。

それにしても彼女のセッションを私も一クライアントとして受けてみて感じたことは、そのリーディングの言葉の秀逸さです。私はスピリチュアルなものには全く疎いのですが、ボトルの持つメッセージと私の内面から出てくる言葉を紡ぎ、本当にわかりやすい言葉で私とボトルを結び付けてくれたように思いました。そして、セッションが終わった後、とても心が軽やかに前向きになったのを記憶しています。彼女のリーディングの言葉が秀逸なのは、多分彼女が「五感をフルに働かせて、私を察知し」どんな言葉を選べば、私に彼女のオーラソーマのメッセージが届くのか、言葉を選びに選んだ上で、伝えてくれているからだったのだ、と強く感じた今回のインタビューでした。


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